専攻主任あいさつ

検査技術科学を学ぶ(あるいは学ぼうとする)皆様へ


新潟大学医学部保健学科検査技術科学専攻
分野/専攻主任  佐藤 英世  教授
   1963年、衛生検査技師(後の臨床検査技師)の養成を目的とし、新潟大学医学部に附属衛生検査技師学校が設置されました。それが本専攻の起源です。やがて医学部附属臨床検査技師校と改称された後、新潟大学医療技術短期大学部衛生技術学科となり、さらに、1999年に4年制の大学として医学部保健学科検査技術科学専攻が設立されました。現在までに本専攻を卒業した多くの先輩たちが衛生検査技師・臨床検査技師として医療に貢献しています。また、最近では、一般企業や行政関係に就職する人も増えてきています。

 臨床検査技師の仕事は、疾患と関連する生体情報を検査技術により的確に捉え、予防・治療に寄与するものであり、医療を行う上で必要不可欠なものです。検査には、血液・尿などの体液や細胞・組織を解析する検体検査と、心電図・脳波などを解析する生理学的検査とがあります。これらの検査を行うには、人体の構造と機能、生理、病理、免疫、遺伝子や、微生物などの専門的知識を基盤とした高度な技術力が必要となります。

 臨床検査技師の資格は医療専門職としての国家資格です。この資格を取得するには、国家試験に合格する必要があります。そのため、本学の専門科目のカリキュラムの内容は国家試験科目を基盤としていますが、単にその学問の修得に留まらず、その汎用力の育成を図ることにも力点を置いています。また、教養教育のカリキュラムでは社会一般教養の修得とともに、医療人としての生命倫理観の涵養も重要課題として位置付け、真に国民の健康に貢献できる人材、医療分野のリーダーとなる人材の育成を目指しています。また、国際人として国際医療活動に参画できるよう外国語教育にも力を入れています。

 2004年に新潟大学大学院保健学研究科修士課程(後に博士前期課程と改称)、2007年に博士課程(後に博士後期課程と改称)が設置されました。この研究科には、「検査技術科学分野」が設置されており、博士前期課程では、より高度な専門的臨床検査ができる医療技術者、博士後期課程では、専門分野の研究・教育者の育成を主眼において指導を行っています。卒業後、本研究科へ進学する学生も増加傾向にあります。

 臨床検査の技術は日々発展を続けており、今後、臨床検査の重要性は増大していくものと思われます。また、健康維持の観点から健康長寿社会の形成に寄与することが期待されます。私たちは、向上心・探究心を持ち、全人的医療の視点を兼ね備えた臨床検査技師および研究・教育者の育成に努めたいと考えています。広い視野と強い関心・野望を持つ皆さんの入学を心よりお待ちしております。