2026年2月2日(月)
検査技術科学専攻の牛木隆志准教授らのグループが、アスリートにおける血漿中抗酸化能を明らかにする研究成果を国際誌に発表しました
血液・腫瘍検査学 牛木隆志准教授、川瀬知之フェローおよび新潟大学医学部 整形外科教室の望月友晴講師らの研究グループは、多血小板血漿 (PRP)について血小板biologyとスポーツ科学を融合した新たな再生医療の研究分野を確立しており、新潟大学医学部から世界に向けてPRP療法の新たな知見を発信し続けています。
PRP治療はアスリートの筋・腱損傷に対して使用される再生医療であり、スポーツ医学領域において手術を回避し得る有効な治療選択肢の一つとして広く受け入れられています。また、その治療効果はPRP中に含まれる血小板に貯蔵されている成長因子で規定されると考えられています。しかし、その再生力を規定する因子はいまだ明らかではありません。
今回、研究グループでは損傷部における炎症を抑制し得る血漿抗酸化能についてプロアスリートサンプルの解析を行いました。その結果、実測値ではアスリート群および非アスリート群で抗酸化能は同等でした。また、非アスリート群では抗酸化能と体脂肪率、骨格筋率、基礎代謝率の間には中程度の相関が認められましたが、体組成指標に優れるアスリート群では抗酸化能と各体組成指標間での相関は認められませんでした。しかし、前述のアスリート群の実測抗酸化値(329mM)は、非アスリート群で得られた基礎代謝率との相関関係を用いた計算式より算出したアスリート群の理論的抗酸化能と比べ大幅に高い値(62mM)であることが確認できました。これら結果はプロアスリートの抗酸化能は非アスリート群から予想される理論値よりも大幅に高く、高い抗酸化能により筋再生能を向上させている可能性が示唆されました。
本研究成果は、国際自然科学誌「Sports」の2026年1月23日付(EST)オンライン版に掲載されました。
論文タイトル
Is Plasma Total Antioxidant Capacity Elevated in Professional Soccer Athletes?: A Cross-Sectional Study
著者
望月友晴1*, 牛木隆志2,3,4*, 鹿目 光2, 土田拓睦4, 大澤まみ2, 佐藤美里3,石黒 創4, 諏訪部達也4, 渡邉 聡5, 大森 豪6, 山本智章7, 川瀬知之1,2,3
所属
- 新潟大学医学部医学科 整形外科学
- 新潟大学大学院 保健学研究科 血液・腫瘍検査学
- 新潟大学医歯学総合病院 輸血・再生・細胞治療センター
- 新潟大学医学部医学科 血液・内分泌・代謝内科学
- こばり坂クリニック 整形外科
- 新潟医療福祉大学 スポーツ健康科学部
- 新潟リハビリテーション病院 整形外科
DOI: https://doi.org/10.3390/sports14020045
血液・腫瘍検査学HP
https://ushiki-lab.jp/
