2022年11月22日(火)

検査技術科学分野の大学院生・涌井杏奈さんらが、搾乳した母乳について衛生上の観点から細菌学的に再検討しました

 母乳は、栄養学的にも免疫学的にも有用な飲料物で、大変貴重なものとして広く知られています。しかし、現在、搾乳した母乳の飲み残しは、衛生上の観点から破棄されており、これは、搾乳した母乳を乳児が飲み残した際の口腔からの細菌汚染とそれによる健康への影響が懸念されるためです。検査技術科学分野の大学院生(涌井杏奈、佐野拓人、河内美帆)および佐藤拓一教授らの研究グループは、看護学分野の西方真弓准教授らと共同で、母乳について改めて細菌学的に検討してみました。
 その結果、搾乳した母乳には元来、一定レベルの細菌が生息していること、それを哺乳瓶ニプルで授乳すると、新生児の口腔内から逆流し、細菌叢構成が変化すること、そして4℃で保存した場合でもそれが維持されることを明らかにし、授乳後の母乳は、ある程度の期間、冷蔵保存できる可能性が示唆されました。
 なお、本研究成果は、2022年11月17日付で、Journal of Oral Biosciences誌に掲載されました。詳細については、Journal of Oral Biosciences, Vol. 64, No. 4をご覧下さい。
 

一覧へ戻る