【グループワークの方法】
※以下の視点について、メンバー間で討議し、ある程度統一したグループの見解を導きだす。ただし、見解の相違が生じた内容については、その状況を整理して理由付けしておく。
1) 模擬事例の患者とその家族について、1つ1つの情報を解釈し、適切に判断・分析する。
判断基準:検査の基準値、日常パターンの変化、情報同士の関連性、既存の知見との照合など
2) 上記1)の中で、メンバー間で解釈や相違があれば、それを見直し、妥当な根拠を求めて調べ、納得できる内容にする。また収集されたデータ以上にデータを超えて深読みしていないか検討する。
3) 各アセスメント枠組みのパターンの中で、顕在的・潜在的に問題視すべき事象やニーズを共有し、患者とその家族の全体的な関連図を図式化する。図式化に基づき、統合したアセスメントを行い、共有化を行う。
4) 推定される看護問題には、1つ1つの関連要因(症状や徴候)、危険因子などを明らかにする。(思い込みはないか、事実情報で裏づけされているか、医学診断そのものでなく、看護が働きかける病態や治療によってもたらされた状況で説明しているか、確認)
5) 援助を必要とする看護問題(診断)は、優先度決定方法を決め、それに従い優先順位を決定する。そのときには、合意できた看護問題と、見解の分かれた看護問題とを区別して看護問題のリストに明示する。(その理由も記載しておく。)
6) グループ内で合意した看護診断は、1つずつ挙げて、診断指標に照合し、関連因子、危険因子などから明確化する。
7) 看護問題ごとに、看護成果を設定する。看護の問題が解決、あるいは緩和・軽減されたことを示す状態であることに留意する。
8) 看護計画は、模擬患者の個別性に配慮して、OP/TP/EPを踏まえて適切に立案する。以下の条件が満たされているか、留意する。@現実的で実行可能、A個別的で安全、B対象者や家族の期待や希望を専門的判断で取り入れている、C具体的で明瞭(5W1H)、D治療計画と矛盾しない、E知識や根拠で裏づけられている、F看護師の行動動詞で記述する。
9) 活用した文献は、適切に列挙し、明示する。※文献の明示は必ず行う。
10) グループワークの際は、各自が準備した資料等は、コピーして他のメンバーに配布する、配布された資料は事前に各自が読んでおく、グループワークの内容は記録する等、チームとしての機能を高める工夫をして、意欲的に討議に取り組む。
V.引用文献の記載方法
論文等で使用された文献等の出典を示す方法には、ハーバード方式と、バンクーバー方式がある。本科目では、バンクーバー方式に準じる。つまり、引用順の番号で関連付け、引用順に列挙する方法である。
出典を示すべき記述の後に文献番号をおく。文献番号は算用数字を用いて、右肩上に、上付きの片かっこで当該番号を示す(例: Bennett14))。巻末に文献章をおき、本文での引用順に書誌を示す。書誌とは、著者名、書名、発行所、発行年等のことである。本科目では、以下を参考にする。
共著者は3名以内(4名以上は、和文は他、英文はet al)とし、雑誌論文は、「著者. 表題. 誌名(Index Medicus、医学中央雑誌の記載に準拠). 発行年;巻数:頁.」の順に記載する。単行本等の書籍は、「著者名(編者名、監修者名): 書名. 出版者, 出版年, 発行地, 引用頁(章の場合).」とする。ウェブページならびにPDFファイルからの引用をする場合はURLを記載する。
(新潟大学保健学雑誌投稿規程より一部抜粋)
例)
ア 雑誌論文
1) 大野健彦.視線から何がわかるかー視線測定に基づく高次認知処理の解明.認知科学.2002;9:568-571.
2) 有田久美,佐久間良子,黒髪恵,他.イラスト図を用いた危険予知トレーニングでの看護学生の危険予知の実態. 日本看護学会論文集(看護教育)38回.2007;335-7.
3) Sakurai K, Imabayashi E, Tokumaru AM, et al. The utility of cerebral perfusion SPECT analysis using SPM8, eZIS and vbSEE for the diagnosis of multiple system atrophy-parkinsonism. Annals of nuclear medicine .2015;29(2),206-13.
イ 書籍(全体)
1) 高木廣文 : 質的研究を科学する. 医学書院, 2011, 東京 .
2) Murray PR, Rosenthal KS, Kobayashi GS, et al: Medical microbiology. 4th ed. Mosby, 2002, St. Louis.
ウ 書籍(章のみ)
1) 岩渕三哉:消化器系. 胃・十二指腸疾患. 鈴木利光, 山川光徳, 吉野正(監):ダイナミック病理学−365症例からのアプローチ. 西村書店, 2010, 東京, p490-501.
2) Meltzer PS, Kallioniemi A, Trent JM: Chromosome alterations in human solid tumors. In: Vogelstein B, Kinzler KW, editors: The genetic basis of human cancer. McGrawhuman cancer. McGraw -Hill, 2002, New York, p93-113.