2006年12月

目標「やめたい人がやめる」 喫煙率引き下げで厚労省 業界が反発…「数値」なし

煙率の引き下げに向けた数値目標の設定を検討していた厚生労働省の厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(部会長・久道茂宮城県病院事業管理者)は26日、「喫煙をやめたい人がやめる」との目標を、平成22年度までの健康づくり計画「健康日本21」へ新たに盛り込むことを決めた。目標には禁煙希望者の割合を付記する。

平成12年の計画策定時にも喫煙率の数値目標を盛り込もうとしたが、たばこ業界などの反対で断念。今回、現状の喫煙率と禁煙希望者の割合をもとに「男性30%以下、女性10%以下」など3つの目標値案を示し、喫煙率の数値目標設定を試みたが、「たばこは個人の嗜好(しこう)品」とする業界側の反対の声は根強く、配慮した。

一方で、喫煙率引き下げに向けた行政としての施策の根拠を必要とする同省は「禁煙したいのに止められない」喫煙者に注目。男女別に喫煙率と、禁煙希望者の割合を参考値として付記し、たばこ施策の方針を明示すことにした。

付記する参考値は15、16年の国民健康・栄養調査の結果で、「喫煙率は男性43.3%、女性12.0%。禁煙希望者の割合は男性24.6%、女性32.7%」。「喫煙をやめたい人がやめた」場合、喫煙率は男性が32.6%に、女性が8.1%になると試算できるという。

厚労省生活習慣病対策室は「禁煙支援のため診療報酬制度を整え、マニュアルもできており、一定の目標を示す必要がある。多くの人が賛同でき、たばこをやめたい人を支援できる目標を示せたと思う。禁煙したい人を増やす努力もしていきたい」としている。

2006年12月27日 産経新聞

厚労省、喫煙率引き下げの数値目標を断念…業界反発で

厚生労働省は26日、喫煙率を引き下げるための数値目標の設定を見送ることを決めた。

たばこ業界などの反発に配慮したためで、代わりに「喫煙をやめたい人がやめる」という目標を「健康日本21」の中間見直しに盛り込む。2000年の「健康日本21」策定時にも、数値目標を設定しようとして断念した経緯がある。

喫煙率の数値目標の新設は、厚労相の諮問機関・厚生科学審議会の専門部会で検討されていた。04年の喫煙率(男性43.3%、女性12.0%)を、「男性30%、女性10%」にするという案を軸に論議が進められていたが、一部委員と、たばこ業界が猛反発していた。

2006年12月26日 読売新聞

広がる禁煙列車 一気に加速 小田急「ロマンスカー」、東武「スペーシア」

旅行やビジネスの“足”として欠かせない新幹線や特急列車。喫煙者にとっては、長距離列車に乗車している時間、喫煙を我慢するのは辛いもの。これまでは、喫煙車両と禁煙車両とに分けることで、非喫煙者の受動喫煙を防止していたが、来年は、特急列車や新幹線の禁煙車両増設とともに、全面禁煙化が一気に加速する。

来年3月18日から全面禁煙となるのは、小田急電鉄が運行する特急「ロマンスカー」、特急「スペーシア」など東武鉄道が運行する全特急列車。JR各社も、新幹線や特急列車の全面禁煙化や禁煙車両の拡大を進める。

JR東日本は、これまでの長野新幹線や特急「成田エクスプレス」に加え、東北新幹線、秋田・山形新幹線、特急「スーパーひたち」「あずさ」を全面禁煙化する。JR東海・西日本が7月に東海道・山陽新幹線に投入される新型車両「N700系」では、全座席を禁煙とし一部のデッキ部に喫煙ルームを設置することで、喫煙者に対応する。

JR西日本は、「北近畿」「文殊」、関空特急「はるか」といった、乗車時間が3時間未満の特急列車を全面禁煙化。特急「サンダーバード」や「雷鳥」などは禁煙車両を増やす。「今回は乗車時間が比較的短い特急列車で全面禁煙としたが、今後は長距離の特急列車も全面禁煙化を進める予定」(JR西日本広報部)という。

小田急電鉄や東武鉄道は、JRの特急列車と相互乗り入れしており、JRの全面禁煙化への対応に合わせた形だ。

しかし、車両間の仕切り扉の開閉で喫煙車両の煙が禁煙車両に流入することから、「非喫煙者の乗客から全面禁煙化を求める声が高まっていた」(小田急電鉄広報部)。乗車時間も最大で2時間と短く、喫煙者にとっても「許容範囲」と判断した。

3月以降も特急列車の喫煙車両を維持する首都圏の私鉄は、現時点では都心と羽田空港や成田空港を結ぶ京成電鉄の「京成スカイライナー」のみということになる。

鉄道各社は、2003年の健康増進法施行にあわせ、駅のホームの全面禁煙化も進めており、喫煙者はますます我慢が強いられることになりそう。非喫煙者にとっては、うれしい限りの禁煙拡大だが、喫煙者には辛い鉄道の旅になるかもしれない。

2006年12月24日 フジサンケイ ビジネスアイ

山陰特急など一部を全面禁煙 JR西日本福知山支社

JR西日本福知山支社は22日、来春のダイヤ改正で、京阪神と山陰方面を結ぶ特急の一部を全面禁煙とすることを発表した。禁煙の取り組みが広がる中、乗車時間がおおむね3時間未満の特急で、初めて試みる。

対象は「北近畿」や「きのさき」、「はしだて」など6特急。12月末までにデッキの灰皿を撤去し、来年3月18日のダイヤ改正に合わせて喫煙車両もなくす。山陰方面では、乗車3時間以上の特急「はまかぜ」(大阪-鳥取)の喫煙車両のみ残る。

2006年12月23日 京都新聞

たばこやめて! 児童の声を冊子に

「お母さんが死ぬのはいやだな… ニコチンがこわい」-。県は、県内小学生のたばこに対する意見を集めた無煙環境推進メッセージ集「届け! こどもたちの声」を初めて作成した。子どもたちが家族の健康を心配する率直な気持ちがつづられている。

メッセージ集は県民の健康づくり運動の一環として19,000部作成した。県内の小学6年生の保護者らに配布する予定。メッセージは、授業などでたばこの害について学んでもらった後、子どもたちに書いてもらった。

「『ゲホン。ゲホン』すごいけむりだなあ。家族みんなが苦しいよ。お願い、お父さん。たばこはもうやめて!」(つがる市・繁田小4年)

「ぼくは、たばこのけむりのない空気のきれいな家で、勉強や食事がしたいです」(むつ・桧川小4年)といった切実な声が寄せられた。たばこの害に驚き、「自分は吸わない」と誓う声もあった。

「たばこの実験で、肺がたった1本で茶色に変わっていくのを見た。たばこは吸いたくない」(青森・幸畑小6年)

「たばこは毒の缶詰です。有害物質が4000種類もあるし、毒性が高いのは200種類もあるので、たばこは毒の缶詰なのです」(むつ・桧川小4年)

家族を心配する声もある。

「お母さんが死ぬのはいやだな。お母さんに聞いたら『やめる』といってくれた! ニコチンがこわい、だからお母さんお父さんにやめてほしい! がんになってほしくないから…」(青森・幸畑小4年)

「父はとても優しく、ぼくは大好きです。そんな父だからたばこをやめてほしい」(むつ・第一川内小6年)

本県の成人男性の喫煙率は41.0%(2004年度老人保健事業報告)で全国ワースト3位、若い女性の喫煙率は34.3%(05年度、県調べ)と、高い水準にあり、県保健衛生課は「メッセージ集を通して、防煙・分煙・禁煙の取り組みを考えてほしい」と語っている。

2006年12月20日 東奥日報

青森で「肺がん予防フォーラム」

たばこの健康被害と受動喫煙防止を考える「肺がん予防フォーラム~たばこか健康か」(主催・県)が17日、青森市の県民福祉プラザで開かれた。今春から公共施設の禁煙に踏み切った七戸町で、職員の6割が禁煙・分煙の意識が高まるなど、具体的な施策と実行が成果を表すことが報告された。

七戸町は、住民の意見を受けて4月から、町内の公共施設を全館禁煙にした。町健康福祉課の大平均課長が、たばこを吸う職員にアンケートをとったところ、64%が「職場が禁煙となったことで困ったことはない」と答えた。また、職場の禁煙化とともに23%が「喫煙本数を減らした」、33%が「職場以外でも周囲の人に迷惑を掛けないよう喫煙マナーを守るようになった」、4%が「健康のことを考えるようになった」など、6割の職員が喫煙を控える方向に向かった。

このことから同課長は「全館禁煙は良い結果をもたらした。今後、公用車の禁煙、事業所などの禁煙・分煙が課題」と語った。

2006年12月11日 東奥日報

2006年11月

「禁煙セラピー」のアレン・カー氏死去

アレン・カー氏(英禁煙活動家)29日、肺がんのためスペイン南部マラガ付近の自宅で死去、72歳。

ロンドン出身。1日に100本吸っていたヘビースモーカーの会計士だったが、83年に禁煙に成功。世界30カ国以上に、70を上回る禁煙クリニックを開設するとともに、自らの体験を基に日本でもベストセラーとなった「禁煙セラピー」など多数の本を出版、2,500万人以上を禁煙に導いたとされる。今年夏、肺がんと診断された。

2006年11月30日 日刊スポーツ

<喫煙率>11年連続で過去最低を更新 JT調査

日本たばこ産業(JT)が22日発表した喫煙率調査によると、国内の喫煙率は26.3%で、96年の調査以降、11年連続で過去最低を更新した。喫煙人口は2,733万人に減り、3,000万人の大台を初めて割った。健康志向や喫煙規制が影響しており、減少傾向は続く見通しだ。

男女別の喫煙率は、男性41.3%、女性12.4%で、いずれも過去最低だった。調査を開始したのは65年で、男性はピーク時(66年)の83.7%から半減した。

年代別では、60歳以上の33.8%が最も高く、年齢が下がるとともに低下。20代が13.6%と最も低い。退職を機にストレスから解放されて禁煙するケースが多いといい、「07年の団塊世代の大量退職でさらに喫煙率が減少する」(JT)とみている。

今年はたばこ増税で人気銘柄が軒並み300円に値上げされた。喫煙マナーに対する批判も高まり、条例で路上喫煙を禁止している自治体は全国84に拡大。08年には自動販売機がすべて成人識別機能付きに切り替わるなど、愛煙家には肩身のせまい施策が急速に進んでいる。【三沢耕平】

2006年11月22日 毎日新聞

喫煙率、男女計で26.3%に=下落傾向に歯止め掛からず-JT

成人でたばこを吸う人の割合は今年8月現在で26.3%となったことが22日、日本たばこ産業(JT)の調査で分かった。今回から調査方法が変更されたため単純比較できないが、昨年は29.2%で10年連続で最低を更新しており、下落傾向に歯止めが掛かっていないことが明らかになった。

2006年11月22日 時事通信

禁煙徹底、全入学者に「誓約書」…中部学院大・短大

岐阜県関市にある中部学院大学と同短期大学部は、来年度の入学者全員に構内や周辺での「禁煙誓約書」を提出させることを決めた。

学校の敷地内や駐車場に加え、付近の幼稚園や養護学校などに配慮し、周辺100メートルの範囲も禁煙対象地区に指定し、禁煙を徹底させる。文部科学省の研究班によると、名古屋市の名古屋女子大が2004年春から学生に誓約書を取っているが、男女共学の大学では聞いたことがないという。

中部学院大は現在、人間福祉学部が設置され、福祉や幼児教育に力を入れている。学生の主な就職先の福祉施設や幼稚園などは、喫煙者の採用を見送るケースがあり、今年4月から構内を完全禁煙にした。たばこの自動販売機もなくし、教職員も全員禁煙とした。

2006年11月22日 読売新聞

<ハワイ州>禁煙法施行 公共喫煙が全面禁止に

【ロサンゼルス國枝すみれ】米ハワイ州で16日、公共の場所での喫煙を全面禁止にする禁煙法が施行された。AP通信が伝えた。レストラン、酒場、商店街や空港など公共の場所、職場での喫煙が禁止される。禁煙建物の入り口や窓から約6メートル以内での喫煙も禁止される。違反した場合、50ドル以下の罰金と裁判費用が科せられる。米国ではハワイ州を含めて計14州で同様の禁煙法が施行されている。

2006年11月18日 毎日新聞

駒苫野球部員喫煙:指導通じなかった 相次ぐ不祥事、市民も失望 /北海道

駒大苫小牧高(苫小牧市)野球部の3年生部員による喫煙問題で、小玉章紀校長は11日、報道陣に対し「再三にわたり信頼を裏切る結果となり、言葉に言い尽くせない責任の重さを感じている。本当に申し訳ない」と陳謝した。3年連続で進出した夏の甲子園決勝で、引き分け再試合の熱闘を見せてから3カ月弱。昨夏から相次ぐ不祥事に市民は失望を隠さなかった。

原正教頭によると、今月6日、野球部寮の寮母がごみステーションの横に捨てられたバッグを発見。中からたばこの吸い殻や中身が残った箱、ライターなどが見つかり、学校に報告した。打田圭司部長らが同日、寮の部員に確認したところ、レギュラー選手を含む3人が喫煙を認めたという。

3人は夏の甲子園の後から寮の自室で吸っていたとされる。他の部員から「みんなに迷惑がかかるからやめた方がいい」と説得されたため、バッグに入れて捨てたという。

同校は相次ぐ不祥事と部員数の増加を受け今年4月、野球部の指導体制を部長、副部長、監督、コーチの4人体制に強化。コーチは野球部寮に同居し、生活面の指導もしていた。この時就任した打田部長は「3度目はないと思っている。野球以外での選手とのコミュニケーションを大切にしたい」と決意を語っていた。

それだけに原教頭はショックを隠しきれない表情で、「行動や言動には注意するよう指導していたが、その言葉が通じなかった。責任は我々にある」と学校の指導が至らなかったことを認めた。

苫小牧市錦岡の主婦(38)は「残念でがっかりだ。慢心があったのではないか。学校は表面的なことだけでなく、一人ひとりの気持ちをくむ努力もするべきでは」と指摘。室蘭市の無職男性(57)は「規則も守れず、何のために学校に入ったのか。18歳ならもっと自覚を持てるはずだ」と断じた。【笈田直樹】

「心のすき」気付かず

「またか」というのが正直な感想だろう。昨夏の元野球部長による暴力行為、今年3月の3年生部員(当時)による飲酒、喫煙、そして今回。特に、3月の不祥事と今回は、引退後の3年生の行為という点で共通する。

香田誉士史監督は、野球を通じた人間形成を指導の第一義に挙げる。用具を粗末に使った選手をしかり、野球を離れれば、親元を離れた選手に深い愛情を注ぐ。試合では心理的な側面を重視し、「グラウンド整備が終わった六回に、気の緩みが生まれる」と言い続け、得点機を築いてきた。

きめの細やかな指導がベースにある故に厳しい練習と重圧から解放された後の「心のすき」に、指導者が気付かなかったことが残念でならない。

言うまでもなく、駒大苫小牧の活躍は道民を勇気づけ、もはや高校野球の枠を超えた存在と言える。だからこそ、校長の謝罪も、一部の不心得者に振り回される部員たちの苦悩も、もう見たくない。見たいのは、再び頂点を目指し、愚直なまでに野球に取り組む姿勢だ。【芳賀竜也】

2006年11月12日 毎日新聞

2006年10月

AIU保険 “禁煙宣言”で火災保険割引

米AIGグループのAIU保険は、たばこによる火災を補償対象外として保険料を割り引く「ノンスモーカー割引」制度を11月から導入する。同社によると、国内損保会社では初めての試みだという。

新たな割引制度は、同社の個人火災保険「スイートホームプロテクション」(ホームライフ総合保険)の商品改定に伴い導入。契約者が商品を契約する際、建物内での喫煙を原因とした火災を「家族にたばこを吸う人がいないから」との理由で補償対象から外せば、1年間の保険料が最大で9.6%割り引かれる。

例えば、鉄骨造建物で保険金額2,500万円の火災保険に加入した場合、通常だと年間保険料が2万2,050円のところを、ノンスモーカー割引制度を適用すれば2.7%割引される。

契約者がたばこを吸ったことで建物火災が発生した場合には、保険金は支払われない。ただし、来訪者の喫煙によって火災が発生したケースでは保険金支払い対象となる。

AIU保険では「ノンスモーカー割引を適用することで、禁煙者増加の一助になれば」と話している。

2006年10月24日 産経新聞

2006年9月

「ライト」巡る米たばこ訴訟、連邦地裁が集団訴訟決定

【ニューヨーク=小山守生】「ライト(軽い)」という表現を商品名に使って健康被害が少ない印象を与え、消費者を欺いたとして、米国の喫煙家がたばこ各社を訴えた訴訟について、ニューヨークの連邦地裁は25日、集団訴訟として取り扱うことを認める決定を下した。

集団訴訟が認められれば、個別に裁判を起こすより訴訟に伴う負担が軽く、多くの人が参加しやすくなる。原告側は、原告は全米で数千万人、賠償請求総額は2,000億ドル(約23兆円)に達する可能性があるとしている。

フィリップ・モリスUSAなど主要たばこ会社は、決定取り消しを求めて連邦高裁に上訴する方針を表明した。

訴訟は2004年に起こされた。「ライト喫煙による健康被害は、通常のたばこより少ないわけではない」として、1970年代以降に発売されたたばこの購入者に、一括して賠償金を支払うよう求めた。

被告のたばこ会社は、集団訴訟になじまないとしたが、同地裁判事は「個別の訴訟では消費者の負担が重過ぎる」として、被告側の主張を退けた。

米国では、司法省による別のたばこ訴訟で、ワシントンの連邦地裁が今年8月、たばこ各社に対して「ライト」や「低タール」などの表現を商品名に使うことを禁じる判決を下した。

2006年9月26日 読売新聞

米国産たばこのニコチン増量 禁煙防ぐ目的?6年間で16%

【ワシントン=松川貴】米マサチューセッツ州公衆衛生局の調査で、米国産たばこに含まれているニコチン量が1998年に比べ、2004年には平均16.6%増加、とりわけ若者に人気のブランドで増えていることが分かった。ニコチンはたばこ中毒の原因で、たばこ離れを防ぐために意図的に増量したとの見方も出ている。31日付ワシントンポスト紙などが伝えた。

現在、米国で販売されているフィリップ・モリス、RJレイノルズ(RJR)、ロリラードの3社のたばこ116種類のニコチン含有量と体内吸入量を98年調査のデータと比較。その結果、92種類でニコチン量が増加、12種類で減少、12種類は変化がなかった。全種類平均では1本当たりの含有量で16.6%の伸び。吸入量でみると9.9%増加した。

吸入量が多かったのはロリラードの「Newport」やRJRの「Camel(キャメル)」。増加率が高かったのはRJRの「Doral」や「KOOL(クール)」だった。米国の代表的たばこ「マルボロ」も吸入量が増えていた。

同衛生局のフォガーティ副局長は「ニコチン吸入量の増加は禁煙を難しくするだろう」と警告している。

2006年9月1日 中日新聞

2006年8月

母譲り?女子中高生の喫煙、吸わぬ親と1.8倍の差

両親に喫煙・飲酒習慣があると、その子供が中高生になって喫煙・飲酒する割合が、両親に習慣がない場合に比べていずれも大きく、父親よりも母親の影響を受けていることが、厚生労働省の研究班(主任研究者・林謙治国立保健医療科学院次長)の調査でわかった。

林次長は「子供を指導する前に親を指導することが必要」と指摘している。

この調査は、厚生労働省研究班が全国の中高生、のべ約32万4,500人にアンケートし、1996年度から4年ごとに2004年度まで実施。今年度になって、林次長が再分析を加えた。

04年度の調査によると、喫煙する母親を持つ女子の喫煙率は、喫煙しない母親を持つ場合の1.81倍で、飲酒する母親を持つ女子の飲酒率はそうでない場合の1.66倍。父親が喫煙や飲酒をする場合は、それぞれ、しない場合の約1.3倍だ。

2006年8月27日 読売新聞

たばこ税上げ、再び議論に=07年度税制改正で要望―厚労省

厚生労働省が25日にまとめた2007年度税制改正要望には、たばこ税率と価格の引き上げも盛り込まれた。たばこ税は06年度改正を受け、7月から販売価格で1本当たり1円アップ。2年連続の増税をめぐり、年末の税制改正作業で再び論議を呼びそうだ。

2006年8月25日 時事通信

「人生好転」「仕事効率アップ」=禁煙作文コンテスト、2人1位-学会

特定非営利活動法人(NPO法人)日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大学教授)は23日、禁煙体験談を競う「私はこうしてタバコをやめられた」作文コンテストの入賞者を発表した。全国から688通の応募があり、1位に非常勤職員の大塚幸絵さん(秋田市)と放送作家の土屋幸喜さん(35)=大阪市=の2人が選ばれた。

20代の大塚さんは、会社が倒産し、生活のために禁煙。味覚が変わりシンプルな食べ物がおいしくなった。成功の喜びは「心の中の柱のように」自信となり、その後の人生は好転したという。

土屋さんは、「喫煙はアイデアの素」という「伝説」を信じていたが、妻の勧めで試してみた禁煙ガムであっけなく禁煙。台本の執筆時間がスピードアップし、たばことアイデアに何の関係もないことが分かったとしている。

2006年8月23日 時事通信

喫煙率減少へ18府県数値目標 兵庫など16県設定なし

たばこを吸う人の割合(喫煙率)をどの程度減らすかについて、国に先行して具体的な数値目標を設定している都道府県が、4月1日現在で18府県あることが18日、厚生労働省の調査で分かった。

同省は2000年策定の長期計画「健康日本21」に、成人の喫煙率半減の目標を盛り込もうとしたが業界などの反対で見送った経緯がある。自治体を参考に今後数値目標を導入したい考えで、現在作業チームを設置し、「やめたい人が全員やめた場合」など3案を中心に検討を進めている。

同省が都道府県の数値目標導入状況を調べたのは初めて。18府県のほか13都道府県は、数値を掲げずに「減少」などを目標としていた。全く設定していないのは兵庫など16県だった。

新潟県は、成人の喫煙率について、2010年までの実行計画で「男性39%、女性5%」を目標としている。2004年調査では男性43.4%、女性8.2%で、禁煙希望者のうち指導で禁煙に成功した人の割合(約2割)から目標値を算出したという。

茨城県は、2012年までの目標を定めた「総合がん対策推進計画」で「本数を減らしたい、やめたいという人全員が禁煙に成功した場合」を仮定し、男性を03年度の53.8%から20%へ、女性は10.6%から3%にする、としている。

兵庫県は喫煙率の目標を掲げておらず、周囲の人が煙を吸い込んでしまう受動喫煙の防止に力点を置いている。敷地全体を禁煙にしているか、建物内が禁煙かなどの基準を設け、学校や事業所、飲食店など施設の種類ごとに達成度の数値目標を掲げた2010年度までの計画を策定。「禁煙は個人の取り組みが先決」とし、生活習慣病対策の一環として指導するにとどめている。

04年国民健康・栄養調査によると、日本の喫煙率は男性43.3%、女性12.0%。厚労省は18日、有識者チームの検討を基に、数値目標の3案を公表。最も高めの「男性35%以下、女性10%以下」のほか、やめたい人が全員禁煙に成功した場合を想定した「男性30%以下、女性10%以下」などがある。

健康日本21 がんや脳卒中、心臓病など日本人の死因の約6割を占める生活習慣病を予防するため、厚生労働省が策定した2010年までの国民的な健康づくり運動の計画。抽象的なスローガンを掲げる従来の手法を改め「純アルコールで1日60グラムを超え多量に飲酒する人を2割以上減らす」といった数値目標を9分野70項目にわたって設定し、成果を検証できるようにした。

2006年8月18日 神戸新聞

欧州の求人広告 「喫煙者お断り」登場

【パリ=山口昌子】職場などでの禁煙が進む欧州に「喫煙者お断り」の求人広告が登場し、喫煙者に対する差別に当たるのではないかと物議をかもしている。

求人広告を出したのはアイルランドの企業。この広告に対し、欧州連合(EU)欧州委員会はこのほど「企業は完全に差別の非難を受けることなく喫煙者を拒否できる」(シュピドラ雇用・社会問題・機会均等委員)と言明。差別には当たらないとの見解を示した。

しかし、労組などは欧州委員会の見解を「行きすぎ」などと非難した。というのも、EU条約で差別を禁じているのは(1)年齢(2)身体的障害(3)性別(4)信仰(5)人種(6)民族-の6項目だけで、喫煙や飲酒は含まれていないからだ。

フランスでは、面接試験などで雇用主が仕事に直接関係のない問題に関する情報を求職者に求めるのは「労働の権利の原則」に反し、差別と判断される。喫煙を含む「習慣」に関する差別も同様で、「喫煙者が差別されることはない」と雇用専門の弁護士は断言する。

一方、昨年12月以降、喫煙者を採用しないことを決めた世界保健機関(WHO)の対応を「差別」として非難する声は今のところ出ていない。

2006年8月12日 フジサンケイ ビジネスアイ

2006年7月

禁煙社員に10万円 日本綜合地所

マンション分譲の日本綜合地所は31日、社員の健康維持を目的に「禁煙促進キャンペーン」を実施し、禁煙を宣言した社員110人に支援金10万円を支給したと発表した。非喫煙の社員にも協力金として同じく10万円を支給した。

客からのアンケートで「営業担当の社員がたばこ臭い」と指摘を受けたことがきっかけ。同社は社員の健康増進を図るとともに、接客マナー向上にもつなげたい考え。

今回のキャンペーンで、全社員(292人)が禁煙したことになり、同社は本社ビル内の喫煙スペースをすべて撤去した。社員が本当に禁煙しているかどうかのチェックは特に行わないという。

2006年7月31日 共同通信

静岡市も歩きたばこ禁止 中学生の求め受け条例制定

静岡市議会は12日、ぜんそくの持病がある市内の男子中学生が制定を求めていた罰則付きの歩きたばこ禁止条例を全会一致で可決した。

「静岡市路上喫煙による被害等の防止に関する条例」で、指定区域での路上喫煙を禁止する。

施行は10月1日。違反者から5万円以下の過料を徴収するとした罰則は、実際に徴収する金額を決めた上で周知期間を設け、来年4月1日から適用する。

条例は、健康的で安全・安心な生活環境を保持することが目的。やけどなどの被害や健康への影響が特に懸念される区域を「路上喫煙禁止地区」に指定できるとした。

禁止地区は市中心部の繁華街を想定しており、今後、地元商店街などと協議して決める。

2006年7月12日 共同通信

保険で喫煙治療を-がん検診センター

喫煙をニコチン依存症という病気ととらえ、必要な治療を行う「禁煙外来」が、香川県高松市郷東町の県立がん検診センター(鳥巣隆資所長)に今月オープンした。4月から禁煙治療が医療保険の適用となったことを受けた開設で、県立医療施設の保険診療が可能な禁煙外来は初めて。

禁煙治療は4月から保険適用となり、6月からは禁断症状を軽減する補助薬「ニコチンパッチ」の処方も保険が適用されている。ニコチン依存症と診断されれば、薬や治療費の自己負担は原則として3割で済む。

治療は基本的に12週間。禁煙の実行や継続をサポートするカウンセリング、補助薬の処方などを行う。診療は毎週火・木曜の午前中。予約は平日の午前9時~午後5時の間に同センター<087(881)5100>で受け付ける。

4月以降、全国で禁煙外来の開設が相次いでおり、県によると、香川県内でも6月末現在で民間を中心に18の医療機関で保険診療ができる。保険診療施設には国の基準があり、▽敷地内の全面禁煙▽呼気一酸化炭素濃度測定器の設置▽専任の看護職員を置く―などを満たす必要がある。

2006年7月8日四国新聞

2006年6月

禁煙する値段は1箱500円 意識調査で過半数が回答

「禁煙しようと思うたばこ1箱の値段は500円以上」-。7月1日のたばこ値上げを前に、製薬会社ファイザーが実施した喫煙者の意識調査で、値上げ後も喫煙を続けると答えた人の過半数がこのように回答した。一方、今回の値上げ(20本当たり10-30円)で禁煙を考えている人も約35%に上った。

調査は6月9、10両日、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7都市に住む喫煙者各100人、計700人を対象にインターネットで実施した。

「今回の値上げで禁煙しようと思う」と答えた人は243人(34.7%)。仙台、広島では40%を超えたが、東京、名古屋は29%で、大都市より地方都市の方が禁煙志向が強かった。

2006年6月23日 共同通信

JR東の新幹線全面禁煙に 来春から実施

JR東日本は6日、2007年春から東北、上越新幹線と在来線特急の車内を原則として全面禁煙にすると発表した。新幹線では、路線が比較的短い長野、九州新幹線が既に全面禁煙を実施しているが、乗車時間が2時間を超す新幹線では初めて。

JR東海、西日本は東海道・山陽新幹線に来夏投入する次世代車両について、客室を禁煙にしデッキに喫煙室を設ける「分煙」を決めており、JR各社の対応が分かれた形。在来線ではJR北海道の全線とJR東日本の成田エクスプレスなど一部特急が禁煙になっている。

JR東日本の方針に対し、日本たばこ産業(JT)は「まことに残念」とする異例のコメントを出した。

2006年6月6日 共同通信

2006年5月

禁煙タクシー、5年で6倍 好評の一方「降りる客も」

運転手はもちろん、客の喫煙も断る「禁煙タクシー」を1台でも導入した全国のタクシー事業者は、5年間で約8.8倍に増え、台数も約6倍になったことが、全国乗用自動車連合会の調査で分かった。好評の一方、運転手からは「降りる客もいる」との声も。台数は全タクシーの2.8%にとどまっており、同会は「一層の増加を期待したい」としている。31日は「世界禁煙デー」。

調査によると、2005年度末(06年4月1日導入分を含む)の禁煙タクシーは、44都道府県で計5,867台(前年度比約1.7倍)。都道府県別では、4月1日に大分市などで全面禁煙を始めた大分県(1,527台)が群を抜き、京都府(757台)、東京都(638台)と続いている。北海道・旭川や高知、熊本など地域や協会単位で取り組む例も増えた。

事業者は539社で前年度の約1.8倍。また乗務員の喫煙を禁止している車両は、1,107社で計3万4,272台に上り、全車両の16.4%を占めた。

2006年5月30日 共同通信

喫煙の心理研究で学会 子どもを被害から守ろうと

子どもをたばこの害から守り、喫煙による健康被害を減らそうと、医療、教育関係者らが29日、日本禁煙科学会を設立、喫煙防止教育の推進や、たばこをやめられない心理状態の研究に取り組むことにした。

京都市で記者会見した理事長の吉田修奈良県立医大学長(泌尿器科学)らは「日本では年間約11万5,000人が、喫煙が原因のがんなどの病気で死亡している。20代女性の喫煙率は24%に増えるなど、問題は深刻だ」と指摘した。

厚生労働省が掲げる2010年に未成年の喫煙をゼロにするという目標実現に協力したいとしている。

2006年5月29日 共同通信

調査対象で健康影響に差 喫煙と体形、厚労省研究班

喫煙や体形が健康に及ぼす影響の調査は、自発的に健康診断を受けた人だけを対象にした場合と、受けていない人も含む一般住民を対象にした場合とで結果に差が生じるとの研究結果を厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が26日発表した。

一般的に生活習慣による死亡や病気発症などの危険度は、特定集団の調査結果が全体にも当てはまると考えられており、日本で実施される健康影響調査の多くは健診受診者を対象にしているという。研究班は「(特定集団の結果から)全体の動向を見積もる場合は、複数の調査を検討する必要がある」としている。

2006年5月26日 共同通信

吸う先生、禁煙に無関心 小中高の300人調査

喫煙する教師の7割が生徒への何らかの悪影響を懸念しているものの、「教育者としてたばこを吸うべきではない」と考えるのはわずか1割-。31日の世界禁煙デーを前に、製薬会社ファイザー(東京)が実施したアンケートで24日、こんな結果が明らかになった。

調査は、委託先の調査会社に登録されているモニターの中から職業が教師で、喫煙する人を抽出し、インターネットを通じて依頼。小、中学校と高校の教師各100人の回答を集めた。

2006年5月24日 共同通信

6月から保険適用 禁煙ニコチンパッチ

4月の診療報酬改定でニコチン依存症患者の禁煙治療に公的医療保険が適用されたことに伴い、厚生労働省は24日、禁煙治療の際、禁断症状を軽くするために使うニコチンパッチを保険対象とするよう中央社会保険医療協議会に提案、了承された。6月1日から適用される。

治療期間中に使うパッチ代の自己負担は原則3割となる。従来通り医師の処方せんが必要。現在、8週間で使うパッチ代は2万円強となっている。

パッチが保険対象外だったため、4月から保険適用された禁煙治療にパッチを併用すると、「(保険と保険外の)混合診療」に該当し、カウンセリング部分(5回で約1万円)も含め全額が患者負担になる。

2006年5月24日 共同通信

赤ちゃんのアレルギー性鼻炎、親の喫煙でリスク3倍

【ワシントン=増満浩志】紫煙の漂う室内で育った赤ちゃんは、親がアレルギー体質だった場合、1歳までにアレルギー性鼻炎を発症する割合が3倍に増えることが、米シンシナティ大(オハイオ州)の研究で分かった。

同大のG・レマスターズ教授らが、欧州の専門誌「小児アレルギー・免疫学」電子版に17日発表した。

調査の対象としたのは、親がアレルギー体質の乳児633人。喫煙状況も含めて各家庭の室内環境などを調べ、1歳までに現れた呼吸器系症状との関連を分析した。

その結果、室内での1日の喫煙本数が20本以上という家庭の乳児は、家族が全くたばこを吸わない家庭の乳児に比べて鼻炎の発症が倍増、特にアレルギー性鼻炎の発症は3倍に上った。また、かびの繁殖が目立つ家では、かびが全く見られない家に比べ、アレルギー性鼻炎が3倍、鼻や耳の炎症を伴い、抗生物質の投与を受けるほどの風邪にかかる割合は5倍に達した。

2006年5月18日 読売新聞

ニコチンパッチ保険薬に 厚労省、今月中に

川崎二郎厚生労働相は12日の衆院厚生労働委員会で、禁煙時に体内のニコチン濃度が低下する際の禁断症状を抑える「ニコチンパッチ」を公的保険の対象とすることを明らかにした。近く医薬品の保険適用の可否を検討する中央社会保険医療協議会を開き、今月中に保険薬とする。

禁煙治療については、4月から公的医療保険の対象となったが、パッチが保険適用外であることから、パッチを使うと違法な「混合診療」に該当。厚労省は4月28日の医療機関向け通知で「使えば禁煙指導全体が(全額自己負担の)自由診療となる」と明確にしていた。保険適用を急いだのは、医療現場の混乱や日本禁煙学会からの批判を受けたためとみられる。

2006年5月12日 共同通信

米ファイザーの禁煙薬認可 脳で作用、禁断症状を緩和

【ワシントン11日共同】米食品医薬品局(FDA)は11日、米医薬品大手ファイザーが申請していた禁煙薬「チャンティックス」の販売を承認したと発表した。AP通信によると、禁煙ガムやパッチとは異なる内服用の禁煙薬としては、1997年承認の「ザイバン」(英グラクソ・スミスクライン)以来となる。

ニコチンの代替成分が、脳内でニコチンの影響を受ける部位に作用して禁断症状を和らげるとともに、たばこを吸った場合にニコチンの作用をブロックする働きもある。FDAは国民の健康への利益が大きいと判断、優先審査の対象にした。

2006年5月12日 共同通信

マイルドセブン、増税20円なのに… 13銘柄で30円上げ

便乗?JTが申請

日本たばこ産業(JT)は11日、たばこ小売価格の値上げを財務省に申請した。たばこ増税に伴い、7月1日から全115銘柄を1箱(20本入り)当たり10~30円値上げする。主力商品である「マイルドセブン」など13銘柄については、1箱当たりの増税額約20円を上回る30円の引き上げとした。喫煙者の減少で厳しさを増しているJTの経営環境を反映した値上げとなった。

昭和52年に発売された「マイルドセブン」はシリーズ全体で国内市場で約3割を占める。世界でも「マールボロ」に次ぐ2位のシェアを握る稼ぎ頭となっている。同シリーズでの増税幅を超える値上げは、発売以来初めてとなる。それ以外の銘柄は、増税相当分を価格転嫁する。

東京都内で記者会見したJTの西沢省悟副社長は、今回の値上げに対して「品質の維持・向上のため」と強調。2年後に予定する成人識別自動販売機の設置に伴う費用負担や、街角やオフィスへの喫煙場所設置に伴うコスト増への対応も理由に挙げた。

5月から増税された「第三のビール」では、ビール各社は増税分のみを出荷価格に転嫁。一部小売店では増税分を企業努力で吸収し、価格を据え置く動きもみられた。これに対し、たばこは定価販売に守られているうえ、今回の主力商品での値上げは増税への「便乗値上げ」との批判を浴びそうだ。

ただ、喫煙者の減少で国内たばこ市場の縮小が続く中、増税幅以上の値上げはたばこ離れを一段と加速させる可能性もあり、JTにとっては苦渋の決断ともなった。

2006年5月12日 産経新聞

マイルドセブン30円値上げ 7月から、日本たばこ

日本たばこ産業(JT)は11日、たばこ税が7月1日から増税されるのに伴い、主力商品のマイルドセブンなど計116銘柄を同日から、1箱当たり10-30円値上げする価格改定を財務省に申請した。マイルドセブンシリーズ11銘柄を含む13銘柄は、1箱当たり増税額の約20円を大幅に上回る30円の値上げとなる。

マイルドセブンは1977年に150円で発売して以来、増税分を超えて値上げするのは初めて。たばこ増税額は1本当たり85銭で、他の銘柄のほとんどは、増税分の約20円を価格転嫁するだけにとどめる。

JTは、マイルドセブンの大幅値上げについて「品質の維持向上のため」と説明している。

2006年5月11日 共同通信

吸わない人は歯が丈夫 たばことの関係を初調査

40歳以上の男性で喫煙しない人は、習慣的に喫煙している人と比べ、自分の歯が20本以上ある人の割合が高い-。厚生労働省が8日公表した国民健康・栄養調査では、喫煙習慣と歯の状況の関係を初めて調べた。

それによると、喫煙者の場合、歯が20本以上の人は40代で90.7%いるが、50代は71.5%と減少。70歳以上は22.2%しかいない。

一方、非喫煙者は40代92.6%、50代88.1%と減少幅が小さく、70歳以上も32.3%は歯が20本以上あった。

過去に喫煙習慣があったがやめた場合は、50代、60代、70歳以上の各年代とも、歯が20本以上ある人の割合が喫煙者より高く、非喫煙者より低かった。

2006年5月8日 共同通信

“三重苦”で医療費4割増 喫煙、肥満、運動不足

生活習慣病などのリスク要因とされる「喫煙」「肥満」「運動不足」の3つ全部に該当する人は、全く該当しない人に比べ医療費が4割余り高くなることが6日、住民約5万人を9年間追跡した厚生労働省研究班(班長・辻一郎東北大大学院教授)の調査で分かった。これほどの長期調査は国内では例がないという。

年間30兆円を超える国民医療費の削減に向け、国会で審議中の医療制度改革関連法案でも生活習慣病対策が焦点の一つ。研究班は「リスクに応じて負担と給付を設定することは可能」として、喫煙の有無や肥満度などによる応分の保険料負担の導入を提言した報告書を厚労省に提出した。

2006年5月6日 共同通信

喫煙者の脳卒中危険率1.8倍に

喫煙者は非喫煙者よりも脳卒中になる危険率が1.5~1.8倍高く、たばこをやめれば非喫煙者と同じ程度に脳卒中になる確率が下がることが県立保健大大学院の嵯峨井勝教授が行った調査で分かった。調査では、脳卒中と血圧の関連性が最も高いことも分かり、同教授は「脳卒中になる危険性がある人とその程度を把握できれば、効果的な予防ができる」と話している。

同教授は、黒石市と県総合健診センターの協力を得て、2,600人の黒石市民の住民基本健診データを解析。日本人の三大死因の一つである脳卒中の危険度を計算できるコンピューターソフトに、年齢、性別、最高血圧、総コレステロール、HDL(善玉コレステロール)、喫煙の有無など9項目を入力し、今後10年間に脳卒中になる危険性を調べた。

その結果、最高血圧が高くなるにつれて、脳卒中の発生率が高まるとともに、同じ血圧ならば喫煙者が非喫煙者よりも脳卒中になる危険性が1.5~1.8倍高いことが分かった。また以前にたばこを吸っていた「過去喫煙者」は、非喫煙者と脳卒中リスクはほとんど変わらず、たばこをやめれば脳卒中になる確率は低くなることが分かった。

2006年5月5日 東奥日報

2006年4月

禁煙で心疾患リスク半減 厚労省研究班が調査

たばこを吸う人が心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患になるリスクは、吸わない人の約3倍だが、禁煙すればリスクを半分以下に下げられるとの大規模疫学調査の結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が11日発表した。

喫煙は虚血性心疾患の原因となる血栓の形成や動脈硬化を促すと考えられている。禁煙の効果は2年以内に表れ、研究班の磯博康大阪大教授は「たばこをやめれば直ちに血液の状態が良くなる。日本人全員が禁煙すれば、年間約8,300人の虚血性心疾患による死亡と同30万5,000人の発症を防げる計算だ」としている。

研究班は岩手、秋田、長野、沖縄各県の40-59歳の男女約4万人を1990年から11年間、追跡調査。

2006年4月11日 共同通信

たばこ自販機成人識別 フジタカ、カメラ方式で対抗

未成年の喫煙防止策として日本たばこ協会(東京都)などが全面導入を目指すIC(集積回路)カードの成人識別機能付き自動販売機に対抗し、大手自販機メーカーのフジタカ(京都府長岡京市神足)がカメラ方式の独自路線を打ち出した。

フジタカはICカードの早期普及が困難とみて消費者の外見を中心に判断する手軽さを売り込む構えだ。

日本たばこ協会は、ICチップを搭載した「たばこカード」を成人に販売、同カードで成人を識別する自販機を国内の全機約62万台に搭載する計画を決め、今年3月に導入時期を2008年夏と発表した。自販機の業界団体も足並みをそろえ、大手各社は今後、製造する自販機をICカード対応機種だけにする見通し。

一方、フジタカは大手では唯一、独自方式の採用を決めた。硬貨投入口横の小型カメラで消費者の顔などを店員らが確認し、未成年の可能性がある場合はインターホンから呼び掛けて、運転免許証などをカメラに提示してもらう仕組みで、このほど対応機種を発売した。店員が不在になる夜間はオペレーターが対応する。同社は「対面販売と同じ仕組みの原始的な手法だが、消費者にとって一番便利。ICカード化は販売店の売上高減少にもつながりかねない」(営業企画部)とし、年1万台の販売を計画する。

これに対して、日本たばこ協会は「システムが複数あると消費者が混乱する。カメラでは購入に時間がかかったり、トラブルが起きるのでは」と困惑し、ICカード方式の周知徹底を急ぐ方針だ。

2006年4月7日 京都新聞

京大病院:全面禁煙、万全のサポート態勢でスタート /京都

京都大医学部付属病院が1日、敷地内全面禁煙になった。教職員約2,000人、1日の平均入院患者数約1,000人、外来患者数約2,300人という“大所帯”。さまざまな研修などでサポート態勢を作り上げてきた。

同病院総合診療科で「禁煙外来」を行っている高橋裕子・奈良女子大教授は2月、医師や看護師を対象に講演。「京大病院が成功すれば、他病院への波及効果も期待できる」と指摘した。

他病院の成功例から、隠れたばこの温床になりがちなトイレの個室にまで大量の禁煙ステッカー、ポスターが張られた。今後、医師らによる「禁煙パトロール」や吸い殻拾いで、利用者に協力を訴える。【奥野敦史】

2006年4月2日 毎日新聞

2006年3月

中野の中2の7.8%「将来たばこ吸うと思う」

県世論調査協会(長野市)や埼玉県立大などは29日、中野市と青森県黒石市、沖縄県豊見城市の3県3市で実施した「中学生の健康とライフスタイル」調査の結果をまとめた。将来「たばこを吸うと思う」生徒の割合は中野市が3市で最低で7.8%だった。

調査は昨年2-6月、3市の中学2年生を対象に行い、中野市は447人、黒石市は394人、豊見城市は424人が回答した。

「大人になってからたばこを吸うと思うか」に「はい」と答えたのは、豊見城市9.9%、黒石市12.7%。

将来喫煙すると思っている生徒のうち、「家族でたばこを吸う習慣がある人がいる」としたのは、中野市が77.1%、豊見城市76.2%、黒石市は86.0%。家族の喫煙習慣が子どもの意識に関係する可能性を示した。

逆に「大人になってからたばこを吸うと思う」に「いいえ」と答え、家族でたばこを吸う習慣のある人がいると答えた割合は中野市、豊見城市で50%台だったが、黒石市では71%を超えた。

女子より男子が将来喫煙すると思うと答えた割合が高かった。またファストフードをよく利用したり、コンビニエンスストアの食品やインスタントラーメンなどを多く食べる生徒の方が、大人になってから喫煙すると思うと答えた割合が高かった。

県世論調査協会は「健康への意識やライフスタイルにも地域差があるようだ。各家庭の果たす役割の大きさがうかがえる」としている。

2006年3月30日 長野毎日新聞

妊婦の喫煙率が悪化

「健やか親子おきなわ2010」推進協議会が29日、那覇市内で開かれ、2001年から5ヵ年の中間評価や今後の取り組みなどを審議した。思春期の児童の飲酒率や妊婦の喫煙率が悪化していることから、妊婦に対する禁煙指導や学校での禁煙教育、施設の全面禁煙などの必要性などが指摘された。

同計画は01~10年の10年計画。中間評価では、89指標で評価可能な40項目中、28項目が改善。悪化・変化なしが12項目だった。

特に、県内で全国一高い低体重児出生率の原因とされる妊婦の喫煙率は1999年の8.4%から2003年は10.8%と悪化。10代の飲酒率も2000年の6%から03年に7.8%と増加したことが報告された。

強化が必要な取り組みとして「妊婦の自己管理能力を高め、市町村のハイリスク妊婦の支援システムの確立」「児童がお酒を入手しにくい環境づくり」などがあったほか、助産師養成の必要性、食育の強化、男性の育休取得率の向上などが指摘された。

2006年3月30日 沖縄タイムス

デッキに喫煙室とカメラ 来春導入の次世代新幹線

デッキには喫煙室と防犯カメラが新設され、客室には電源コンセントが増設される-。来年春に導入される東海道・山陽新幹線の次世代車両「N700系」(16両編成)の新しい車内仕様が29日、明らかになった。

JR東海、西日本によると、新車両は全座席禁煙となり、デッキの計6ヵ所に2-4人用の喫煙室を設置。室内には排煙、脱臭装置を完備する。

安全対策を強化するため、すべての乗降口には運転台と車掌室から監視できる防犯カメラを初めて装備する。

客室は、グリーン車全席と普通車の窓側席すべてにコンセントが増設され、テーブルはA4サイズのパソコン用に拡大される。

2006年3月29日 共同通信

JR初の列車内全面禁煙 北海道、北斗星など除き

JR北海道は18日、「北斗星」など本州とまたがる列車を除き管内すべての列車の全面禁煙を始めた。全面禁煙はJRで初めて。

これまで車両に掲示されていた喫煙マークなどはすべて取り外され、禁煙マークとなった。車内の喫煙スペースも使用できなくなり、座席に備え付けられている灰皿は順次使えなくする予定。車内放送などで乗客に禁煙への協力を求める。

各ホームなどに設置された喫煙コーナーなどは今後も残す。2004年にJR北海道が実施したアンケートで全面禁煙を求める声が多かったことを受け、全面禁煙に踏み切った。

札幌駅の喫煙コーナーでたばこを吸っていた旭川市の会社員(56)は「我慢は1時間半が限度だ。もう長距離は乗れない。喫煙車両を残すなど愛煙家にも配慮してほしい」と話した。

2006年3月18日 共同通信

18日からJRダイヤ改正 のぞみ増発、禁煙も加速

JR旅客6社と一部私鉄は18日から、ダイヤ改正を実施する。

東海道・山陽新幹線は開港したばかりの神戸、新北九州両空港に対抗するため、東京と博多を直結する「のぞみ」を増発。早朝・夜間帯には、東京と新神戸、姫路を発着する列車を新設した。

岡山駅などで停車時間にゆとりがない16本の「のぞみ」についてはダイヤを見直す。新大阪-博多の到達時間は2分長くなり、最速でも2時間23分に延びる。

禁煙化は加速し、16両編成の東海道・山陽新幹線は禁煙車を1両増やし、喫煙車は4両に。北海道を走る特急のすべてが全面禁煙となる。

2006年3月17日 共同通信

全米たばこ消費最低に 1951年以来

【ワシントン9日共同】9日付の米紙ワシントン・ポストは、米国での昨年のたばこ消費量が1951年以来、最低になったと報じた。1人当たり消費量も1930年代初頭の水準に落ち込んだという。

全米各州の司法長官が組織する団体の調査で判明した。同団体は原因について、たばこ業者に巨額医療費の支払いを命じた90年代以降の訴訟の影響で、広告が自粛されたり、たばこ価格が高騰したりしたと指摘。喫煙が有害との認識が広がったことも挙げている。

05年の消費量は前年比4.2%減の約3,780億本。高校生の21.7%が喫煙者という。

2006年3月9日 共同通信

<駒大苫小牧高>3年の野球部員10人が飲酒 補導される

第78回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場が決まっている北海道苫小牧市の駒大苫小牧高(篠原勝昌校長)の3年生の野球部員10人が1日の卒業式の後、同市内の飲食店で飲酒、喫煙し、道警苫小牧署員に補導されていたことが2日、分かった。学校側もこの事実を認めている。高野連は週明けに事実関係の報告を受け、近く開く審議委員会で同校への対応を決める。

同校や同署によると、10人が飲酒、喫煙していたのは1日深夜。店にいたのは、全国優勝した昨夏のベンチ入りメンバー5人、それ以外の3年部員5人で、他の部活動の部員もいた。選抜大会に登録している現在の1、2年部員はいなかった。2日、知らせを受けた学校幹部が10人に確認したところ、事実を認めたという。

同校幹部は「3年生が軽率なことをしてしまった。生徒の処分も含め3日の職員会議で今後の対応を協議したい」と話している。

同校は1964年創立の仏教系私立共学校。甲子園には、春2回、夏5回の出場経験がある。昨夏の甲子園では57年ぶりの連覇を成し遂げたが、直後に前野球部長による3年生部員への暴力問題が発覚。日本学生野球協会は前部長に対し謹慎1年、野球部に対し警告の処分を下している。

2006年3月3日 毎日新聞

すし詰め喫煙室、分煙守れず 厚労省庁舎内、全面禁煙へ

厚生労働省は28日、4月1日から終日、庁舎内を全面禁煙にすると発表した。庁内で唯一の喫煙室が、多いときには定員の2倍の喫煙者であふれ、喫煙者にも非喫煙者にも不評を買い、全面禁煙に乗り出すことにした。

厚労省と環境省などが入居する東京都千代田区の中央合同庁舎第五号館は現在、1階ロビー脇の喫煙室(43平方メートル)のほか、食堂や喫茶店の4ヵ所で喫煙可能になっている。

厚労省福利厚生室によると、喫煙室には職員や来庁者が多く集まり、定員30人のところ、多いときには70人もの喫煙者で“すし詰め”になるという。喫煙室では衣類にたばこのにおいが付着し、喫煙者の利用したエレベーター内ににおいが残るほど。喫煙者だけでなく、たばこを吸わない職員や来庁者からも苦情が出ていた。

このため「良好な空気環境が保てない」(福利厚生室)として、4月1日からは喫煙室を撤去し、庁舎外に新たに喫煙所を2ヵ所設置することにした。庁舎内の食堂や喫茶店は終日、全面禁煙にする。

人事院は平成15年7月、各省庁に、空間分煙を確保し、喫煙室には煙が外部に漏れないよう屋外排気装置を設置するとともに、全面禁煙が望ましいとする指針を出していた。

2006年3月1日 産経新聞

2006年2月

厚労省が館内を全面禁煙 省庁で初、喫煙所は屋外

雨の日は傘を差してたばこを吸ってください-。厚生労働省は28日、26階建ての東京・霞が関の庁舎内を4月から全面禁煙にすることを決めた。1階の喫煙室を屋外に移動、4ヵ所の飲食店も終日禁煙にする。館内全面禁煙は中央省庁では初めてという。

厚労省は理由として(1)人事院が喫煙所を庁舎外にするよう要請(2)利用者が多くて喫煙室内の環境が悪い(3)たばこの害への社会的な理解が進んでいる-を挙げている。禁煙旗振り役の省の措置は他省庁にも影響しそうだ。

2006年2月28日 共同通信

たばこ包囲網 増税/禁煙への保険適用/喫煙率減らす数値目標まで?

神経とがらせるJT

禁煙が世界的潮流になるなか、厚生労働省が生活習慣病対策として導入を検討している喫煙率減少の数値目標に対して、日本たばこ産業(JT)が神経をとがらせている。JTにとって、たばこ税引き上げ、禁煙指導への保険適用に続く逆風になりかねず、「個人の嗜好(しこう)の問題に対して国家が介入するのはおかしい」などと、反発している。

喫煙率減少の数値目標について、厚労省は平成12年から国民運動として始まった「健康日本21」で酒類や塩分摂取量の数値目標とともに設定を目指したが、たばこ業界などの反発が強く見送られた経緯がある。このため、厚労省には「今度こそ」との思いが強く、今後、厚生科学審議会などの議論を通して具体的な数値目標を固めていく考えだ。

生活習慣病対策を検討する同審議会では、これまでも「喫煙率を下げなければ病気は減らない」「たばこの大幅値上げか、具体的目標が必要」などの指摘が多い。

たばこをめぐっては、18年度の診療報酬改定で、ニコチン依存症と診断された喫煙者への医師の禁煙指導には「ニコチン依存症管理料」として4月から保険が適用されることが決定。「喫煙は病気ではない」とするJTの主張は受け入れなかった。

また、7月からはたばこ増税によって、価格が引き上げられる。

同社は平成17年9月中間決算で過去最高益を記録したが、寄与したのはロシアや台湾など海外市場。国内市場をみれば、成人喫煙者が10年連続で過去最低を更新しており、減収傾向が続いている。

志水雅一JT執行役
生活習慣病は複合要因

たばこが疫学的にリスク要因のひとつなのは否定しないが、たばこさえやめれば肺がんなどはなくなるのか。

生活習慣病は食生活、大気汚染などいろいろな要因が絡み合っているはず。禁煙指導への公的保険適用や喫煙率の削減を国家目標にするなど、なぜ、たばこばかりが狙われるのか。「魔女狩り」の印象を禁じえない。

厚生労働省などは、よく喫煙者の平均寿命が非喫煙者より12年短いと説明しているが、日本の疫学データではせいぜい2~3年の差のはずで、過大評価だ。

仮に喫煙者の方が早く亡くなるとすれば、その分、医療費もかかっておらず、超過医療費の問題とも矛盾する。もう少し、実証的なものとあわせた議論が必要だ。

また、男性では喫煙率がどんどん下がっているのに反して、肺がん発生率は上昇しており、喫煙がすべての原因という仮説は成り立たない。喫煙者率の減少を国家が一律に数字で縛る必要があるのか。危険な思想だ。

2006年2月26日 産経新聞

成人識別機能を義務付けへ 酒たばこ自販機で神奈川県

神奈川県の松沢成文知事は22日、未成年の飲酒や喫煙を防ぐため、自動販売機への成人識別機能設置を販売者に義務付ける条例を定める方針を明らかにした。制定されれば全国初といい、2007年の施行を目指す。

日本たばこ協会などは昨年10月、全国約62万台の自販機を08年中に識別機能付きに切り替えることを決定。成人にだけ発行されるICカードがないと、たばこが買えなくなる。

全国小売酒販組合中央会も屋外の自販機を撤去するなど、業界の自主規制が進んでいるが、知事は「業界団体に加入していない業者もおり、条例で実効性を担保する」としている。

2006年2月22日 共同通信

女性の半数「結婚は非喫煙者と」=健康気になる、口臭嫌-製薬会社、400人調査

禁煙治療への保険適用が4月から始まるなど慢性的な喫煙を病気と考える人が増える中、男性では4人に3人、女性では半数近くが結婚相手に非喫煙者を希望している実態が18日、製薬大手のファイザー(東京都渋谷区)の調査で分かった。

同社は今年1月、インターネットを使った調査で20~30代男女の喫煙者200人、非喫煙者200人から回答を得た。

「喫煙する異性をどう思うか」との質問に対し、「好ましい」は男性2.0%、女性11.5%で、「好ましくない」は男性57.5%、女性32.0%。「結婚相手として選ぶなら」との問いには、男性73.5%、女性48.5%が「吸わない人」を選択した。

異性の喫煙で最も気になる点としては、全体の約4割が「健康への弊害」を挙げたほか、「口臭」が約2割、「髪や衣服へのにおい」と「歯の黄ばみ」がそれぞれ約1割だった。

2006年2月18日 時事通信

日本が最大拠出国に たばこ規制枠組み条約

【ジュネーブ17日共同】たばこによる健康被害の低減を目指す「たばこ規制枠組み条約」の第1回締約国会議が17日まで、ジュネーブの世界保健機関(WHO)本部で開かれ、条約事務局をWHO本部に設置することなどを決めて閉幕した。2006~07年の事務局予算は801万ドル(約9億5,000万円)で、日本が22%の約176万ドルを負担する最大の拠出国となった。

締約国会議はまた(1)各国が条約の履行状況を事務局に定期的に報告する(2)複数国間のたばこ広告規制や密輸防止などに関する議定書作成のための作業部会設置(3)たばこ代替作物の研究部会発足-なども決めた

WHOによると、喫煙による死者は世界で年間約500万人、20年には1,000万人に増えるとみられている。

2006年2月17日 共同通信

禁煙学会:「たばこの害から守る行動を」 受動喫煙の研究を報告-松山 /愛媛

第15回日本禁煙推進医師歯科医師連盟総会・第2回日本禁煙学会が11日、松山市三番町4の県医師会館で始まり、全国からたばこの害の研究や禁煙運動に取り組む医師らが参加。受動喫煙問題などをテーマに12日までの2日間、シンポジウムや各種講演、発表などをする。

大会では大島明・同連盟会長が基調講演。WHOが提案したたばこ規制枠組み条約の発効など最近1年の動きを振り返り、広告や自動販売機の規制、たばこ値上げなど禁煙策推進の必要を説いて「いまこそ医師、歯科医師の広範な連携で、国民をたばこの害から守る行動を」と訴えた。

研究者4人が参加したシンポジウムでは、横浜市のタクシー運転手が受動喫煙に苦しみ、提訴に踏み切った事例などを発表。また各地のドーム球場の受動喫煙対策を比較して「分煙はあまり効果がない。全館禁煙を」と指摘したり、パチンコ店7店舗のたばこ煙の濃度を測定し、客や店員への受動喫煙対策の遅れを指摘して「罰則制定を」と訴えるなど、さまざまな研究成果が披露された。【古谷秀綱】

2006年2月12日 毎日新聞

<禁煙コンテスト>成功体験を募集! 日本禁煙学会

集まれ禁煙自慢――禁煙指導にかかわる医師や薬剤師、看護師らで作る日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は10日、禁煙の成功体験を募集し、独自性や取り組みやすさを競うコンテストを実施することを決めた。全国規模の禁煙コンテストは初めて。寄せられた体験例は禁煙マニュアルとして出版する。

コンテストのタイトルは「私はこうしてたばこをやめられた」。たばこを吸い始めた理由や禁煙のきっかけ、禁煙方法、たばこをやめて変わったことなどを1,600~2,000字程度にまとめて報告してもらう。

米国では、禁煙の成功体験をまとめた本が出版され、効果を上げているという。同学会は年1回コンテストを開き、ほかの禁煙団体と連携して普及啓発を進める。

今回の募集は3月1日から7月末まで。原稿は同学会(〒181-8611 三鷹市新川6の20の2 杏林大第1内科内)に郵送する。賞金は1位(2人)5万円、2位(5人)2万円、3位(10人)1万円。問い合わせは同学会事務局(電話0422-47-5511 内線3631)へ。

作田理事長は「スモーカーは禁煙が難しいというが、実際にやめている人がいる。成功者のノウハウを広く伝えたい」と話す。【山本建】

2006年2月11日 毎日新聞

2006年1月

たばこ訴訟で患者敗訴確定 最高裁が上告棄却の決定

長年たばこを吸ったため肺がんなどになったとして、元喫煙者ら6人が日本たばこ産業(JT)と国に計6,000万円の損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は26日、患者側の上告を棄却する決定をした。原告の全面敗訴が確定した。

この訴訟は33~50年間の喫煙歴のある肺がん患者ら6人が(1)たばこが有害と知りながら違法な販売を続けた(2)必要な規制を怠った―として、JTと国に損害賠償などを求めた。1審東京地裁判決はたばこの有害性を認めたが、原告の病気との因果関係は認めず「喫煙者の自由意思で禁煙は可能」と判断。2審東京高裁判決もこの考えを支持した。

たばこの健康被害をめぐる訴訟では、受動喫煙で被害を受けたとして、東京都江戸川区職員が賠償を求めた訴訟で、区に5万円の賠償を命じた東京地裁判決(2004年、確定)がある。

2006年1月26日 共同通信

JR九州 全席禁煙へ 来年3月 「におい不快」要望受け

JR九州は13日、2007年3月に列車の喫煙席を全廃する方針を明らかにした。たばこの煙による不快感や健康被害を指摘する乗客の要望に応える。JRグループの全席禁煙は、北海道に次ぎ2社目。

JR九州によると、全538車両のうち、普通列車と九州新幹線「つばめ」や特急「はやとの風」などは既に全席禁煙としているが、「かもめ」や「リレーつばめ」など大半の特急の計71両は今も喫煙車両。禁煙化に傾く時代の流れに加え、利用客から「喫煙車両からのにおいや煙をどうにかして」などの要望が年間200件程度寄せられており、全廃に踏み切ることにした。

ビジネス客など喫煙者の利用が減る可能性もあるが、都市間の特急の乗車時間が新型車両導入などで短縮されていることなどから理解を得られると判断。乗車時間が長い列車や主要駅に喫煙場所を整備するなどして配慮したいとしている。

列車の禁煙化をめぐる動きは全国的に広がりつつあり、JR北海道が今年3月までに全席禁煙とするほか、JR東日本が昨年12月に長野新幹線の喫煙車両を廃止した。

2006年1月14日 西日本新聞

喫煙者の肺気腫予防に効果 トマトジュースで動物実験

カゴメは13日、カゴメ総合研究所(栃木県那須塩原市)と順天堂大医学部が、タバコの煙による肺気腫の予防にトマトジュースが有効であることを共同研究の動物実験で確認したと発表した。

実験は早く老化する性質を持つマウスに、1日30分間、週に5日間、8週間にわたりタバコの煙を吸わせ、その間、2倍に薄めたトマトジュースを与えたマウスと水道水を与えたマウス各6匹などを比較し、肺の構造や機能を調べた。

この結果、水道水を与えたマウスと比べ、トマトジュースを与えたマウスで肺気腫の発生が抑制された。

順天堂大の瀬山邦明講師は「ヒトでも同様の結果が得られるかが今後の課題」とコメントした。

2006年1月13日 共同通信

JR九州が喫煙席全廃へ、一部特急は喫煙ブース検討

JR九州は、2007年3月をめどに列車の喫煙席を全廃する方針を明らかにした。

健康志向の高まりに加え、車内での煙害を指摘する乗客の要望に応えることにした。JRグループではJR北海道に続き2社目になる。

普通列車と、乗車時間が約40分と比較的短い九州新幹線「つばめ」と特急「はやとの風」はすでに全席禁煙となっているが、大半の特急には最低1両の喫煙席が残っている。

ただ、小倉、大分と宮崎を結ぶ特急「にちりん」は乗車時間が比較的長いため、「ゆふいんの森」といった観光列車などと同様、デッキに喫煙ブースなどを設けるか検討している。

2006年1月13日 読売新聞

50万人の禁煙手助け 法施行1年のイタリア

【ローマ12日共同】イタリアの飲食店などを対象にした禁煙法が施行されてから10日で1年。バー、レストランでの喫煙客だけでなく、喫煙を見逃した店側にも罰金が科される厳しい法令に当初は反対の声も強かったが、保健省は同日「1年間で50万人以上がたばこをやめ、心筋梗塞(こうそく)の患者も減った」と効用をアピールした。

同省によると、たばこの年間売り上げは1年で5.7%減少。たばこ店協同組合は同10.5%減ったと主張している。罰金を払わせられた人は112人だった。

2006年1月12日 共同通信