新潟県たばこ対策研究会主催
2017年 市民公開講座のご報告

概要

開催日:
2017年7月1日(土)
開催時間:
13:30~15:00
開催場所:
新潟市 新潟大学駅南キャンパス ときめいと
主催:
新潟県たばこ対策研究会
共催:
新潟県医師会

 会場の都合により5月31日の世界禁煙デーから遅れること2か月の7月1日(土)に「2017 市民公開講座」を開催いたしました。

 昨年,一昨年とご好評をいただいた「卒煙(禁煙)チャレンジ 山あり? 谷あり?経験者を囲む会」の第3弾として,今年も2名の卒煙(禁煙)経験者をお招きし,ご自身の経験談をお話ししていただきました。茶話会も盛り上がり,充実した時間を参加者のみなさまと共有することができました。

たばこミニ情報

 事務局より最新のたばこ対策に関する情報提供をいたしました。
 まず新潟県の「受動喫煙の害を受ける機会のあった人」の割合は,平成27年調査によれば平成22年調査に比べると減少傾向にあるものの,「職場」43.5%,「飲食店」38.3%と職場や飲食店ではまだ高い状況が続いています。新潟県は県庁内に喫煙スペースがあります。47都道府県のなかで庁舎内に喫煙スペースが残っているのは昨年の段階ですでに14都県のみです。県内の受動喫煙防止推進のためにも新潟県庁の全面禁煙化が望まれます。
 次に県内の主な取組として,妙高市の 「妙高元気ポイント」(2017年5月1日~。チャレンジ100の1つに 「100日間 禁煙チャレンジ」。成功したらポイントがもらえます),かぐらスキー場の「サマーゲレンデ敷地内全面禁煙化」,新潟市内の「新潟県内初の完全禁煙スナック登場」,見附市の喫煙防止講演会と新成人喫煙率の関係などをご紹介しました。

 たばこミニ情報に続いては,禁煙を経験した2名の方から,禁煙を試みたいきさつや,どのような思いや体験をして今に至るのかという話を具体的にお聞かせいただきました。

経験者のお話し1
 岡田 義宏 様

 部活動を引退したことがきっかけでたばこを吸い始めたとのことでした。吸い始めたときは1日に数本程度でしたが、数本数は徐々に増えていき,自分の中では、何回も禁煙しようと思ったものの、実際には自力では厳しく、2,3日で断念したこともあったそうです。
 禁煙しようと思ったきっかけは,家族の影響でした。喫煙者であった家族が早くに亡くなったり,若くして脳出血で倒,車いす生活になったりしたそうです。お母さまからの禁煙のすすめや,娘さんご夫婦という身近な方が禁煙に成功されたことなど家族からの影響で禁煙せざるを得ない状況になったとのことでした。さらに,職場の上司が禁煙外来に通って禁煙に成功したこともきっかけの一つとなったそうです。
 そのようなことから,岡田さんも禁煙外来に足を運び,禁煙を開始しました。禁煙外来では,内服薬のチャンピックスを主治医の指導の下,3か月内服したそうです。禁煙外来に通院するとスモーカライザーの測定を行うため,たばこを吸ったことがすぐにわかるので,嘘がつけない状況だったとのことです。内服を開始して2か月過ぎたころには薬がなくても大丈夫になり,6回目の通院の時に医師にもう薬を飲まなくても大丈夫と言われたそうです。
 約1年半禁煙が続いており,思ったよりも苦しまずに禁煙することができたとおっしゃっていました。
 禁煙して良かったことは,食事をおいしく感じるようになったこと,たばこの購入にかかっていたお金が浮いたこと,奥さんとの会話が楽しくなったことだとおっしゃっていました。
 最後に,チャンピックスの作用・効用について紹介してくださり,もし禁煙に興味がありチャレンジしたいのであれば,禁煙外来に足を運んでみてほしいと,経験者としてのアドバイスを語ってくださいました。

経験者のお話し2
 内藤 久敬 様

 内藤さんは,「卒煙(禁煙)チャレンジ 山あり? 谷あり?経験者を囲む会」の第1弾からこの市民公開講座に参加されており、今年で3回目の参加の方です。初回の市民公開講座の参加をきっかけに禁煙をし,現在2年間禁煙チャレンジを継続されています。
 禁煙を意識したきっかけは,自動車の運転中にタバコに火を付けたり、灰を落としたりする1,2秒でのヒヤリ体験が何度かあったことだそうです。自分自身で禁煙をしてみたけれど失敗を繰り返したとのことで,一昨年の市民公開講座に参加後すぐに禁煙外来を受診されたとのことです。「まずは気楽にやってみよう」という思いと,以前の禁煙の失敗の教訓を活かして自身の生活パターンを自己分析し,タバコを吸える環境に行くことや、タバコを買いに行くなどのタバコの癖を忘れるということを実践された結果あまりストレスを感じることもなく禁煙を達成することができたそうです。
 禁煙開始から2年経ち,歯磨き中の歯茎からの出血がなくなったことや,身の回りの人には自分はタバコを吸わない人ということが定着したことなど様々な面での変化を実感しているとのことでした。
 最後に,ご自身の禁煙チャレンジの経験から禁煙には自分に合った禁煙方法を見つけるために、たくさん禁煙方法を試してみることが大切であるというメッセージを頂きました。そして、禁煙チャレンジ継続中から今後卒煙宣言をいつにしようかということがこれからの目標であると語ってくださいました。

茶話会

 茶話会は,禁煙経験を話してくださった岡田さん,内藤さんをお1人ずつ囲む形で2つのグループにわかれて,お茶とお菓子をいただきながらの気軽な情報交換会です。
 禁煙経験者の方々は参加者からの喫煙時の状況や禁煙時のこと,禁煙してからの生活の変化など多くの疑問に丁寧にお答えくださり,役立つ情報をたくさんいただきました。そのほか,昔と今の社会のタバコに対する意識の変化や,職場の禁煙状況,日本と海外のたばこのパッケージの違いなどさまざまな話題で時間いっぱいまで盛り上がりました。

事務局より

 今年度も経験者のお2人の説得力のあるお話に引き込まれ,あっという間に時間が過ぎてしまいました。参加者のみなさまからも,「禁煙外来のことやチャンピックスの効果がよくわかった」,「運転中のヒヤリハット体験など貴重な話がきけてよかった」,「これからの保健指導に活かしていきたい」,「意見交換が大変有意義だった」等の感想をいただきました。

 ご好評につき次年度は「経験者を囲む会 Part 4」を開催したいと考えています。
 身近な人の禁煙を応援したいという方,禁煙・卒煙の極意を聴きたいという方,そして自分の経験談を発表したいという方も,ぜひ来年会場へいらしてください!