新潟県たばこ対策研究会主催
2015 世界禁煙デー 市民公開講座のご報告

概要

開催日:
2015年5月30日
開催時間:
13:30~15:00
開催場所:
新潟市 新潟大学駅南キャンパス ときめいと

 5月31日の世界禁煙デーを翌日に控えた5月30日(日)に新潟大学駅南キャンパスときめいとにて,2015 世界禁煙デー 市民公開講座を開催いたしました。

 今回は「卒煙(禁煙)チャレンジ 山あり? 谷あり?経験者を囲む会 開催!」と題して,2名の卒煙(禁煙)経験者をお招きし,ご自身の経験談をお話ししていただきました。そして,喫煙者,禁煙したいと思っている方,禁煙中の方、禁煙をサポートしたいと思っている方などと楽しく語り合いました。

たばこミニ情報

 開会挨拶に引き続き,例年通り事務局より県内外の最新たばこ情報をご紹介しました。主な内容は2000年以降,健康日本21,健康増進法(受動喫煙防止を明文化),たばこ規制に関する世界保健機関枠組条約(WHO),禁煙治療の保険診療科などによりたばこ対策が推進されてきたこと,最新情報として2014年には労働安全衛生法が改正され職場の受動喫煙防止が努力義務化されたことなどです。このような社会の変化から禁煙する人,禁煙したい人が増えていますが,なかなか難しい禁煙(卒煙)。そのメカニズム(依存)をご説明するとともに,依存から脱却されたお2人をご紹介しました。お2人の経験者の方々は,禁煙に挑戦しようと思ったきっかけ,方法,失敗談・成功談をお話しくださいました。

経験者のお話し1
 板屋 幸仁 様

 現在5回目のチャレンジで4か月禁煙を継続できているという板屋さん。
 これまで禁煙にトライしたきっかけは,分煙・禁煙ブームや子どもの説得,卒煙教室などで,様々な禁煙グッズを試してきたそうです。 しかし継続するのはとても難しいことで,長期間の継続とはなりませんでした。
 そして,5回目のきっかけは,誘われて始めたマラソンでした。ジョギングを始めてみると,身体は動くのに息切れが強く,肺年齢も良くない結果であったことから禁煙外来へ。そこで処方されたお薬が板屋さんの体質に合っていて,タバコがおいしくなくなり,服薬期間が終了した現在でも禁煙は続いているそうです。板屋さんは,「これがあれば絶対やめられる」というものはない,とおっしゃっていました。きっかけや方法は人それぞれです。
 禁煙できて良かったこととして,外出の際にたばこのことを気にしなくて良くなったことだとおっしゃっていました。そして最後に,喫煙者は,周りの人に対して引け目に感じているので,あまりキツく言わないであげてほしいと,みなさんに伝えていました。

経験者のお話し2 
 石井 博和 様

 初めのきっかけは,負傷した目の治療のためでした。自力で禁煙を2年続けましたが,眼科医から今後症状が改善される見込みがないと告げられてからたばこを我慢する必要がないと考え,喫煙を再開しました。
 そして2回目のきっかけは,フルマラソンを40代のうちに走りたいという大きな目標ができたことです。お酒を飲むと吸いたくなるというたばこを,あえて忘年会シーズン前にやめると決心し,なんとか乗り切ることができたとのこと。 このことが石井さんの自信につながり,卒煙することができたとおっしゃっていました。
 卒煙してみて,もう一息空気を吸い込める気がする喜びを感じたり,たばこを吸う時間がもったいないということに気付くことができたそうです。そして,目標であったフルマラソンを走りきることができました。禁煙には魔法の言葉などない,何かのきっかけや目標から,自然とやめざるを得なくなると,ご自身の経験から語ってくださいました。

茶話会

 
 それぞれ経験者お1人を囲む形で2つのグループとなり,お菓子を食べながら自由に語り合いました。
 どちらのグループもリラックスした雰囲気で,とても盛り上がる楽しい茶話会となりました。


 ご自身の禁煙に対する気持ちを熱く語り,「今からたばこやめます!」と宣言した方,経験者のお話を聞き,禁煙外来へ行ってみようかなと思った方,たばこを我慢した分お金がたまるなら,やってみる価値はあるかなと考えられた方など,今回のイベントがそれぞれにとって何かのきっかけになることができたのではないでしょうか。
 もちろん参加者は喫煙者の方ばかりではありませんでした。ご家族の禁煙から,いろいろ知りたくなって参加してみましたという方や,職場の禁煙を広めたくて試行錯誤しており,何かヒントを探しにきた方など,喫煙・禁煙者の支援者となる方々も来てくださりました。そのため,この茶話会での意見交換はそれぞれの立場の方にとって有意義なものになったように思います。

事務局より

 経験者のお話し,茶話会とも大盛り上がりで,楽しい公開講座になりました。
 参加者のみなさまからもたくさんの感想をいただきましたので一部をご紹介させていただきます。

  • 経験者の話はもちろん,これからやめようか悩んでいる人の話も聞けてよかった。 ぜひ,年に1度ではなく定期的に集いのようなものを開いていただければと思います。
  • 体験談はその方の歴史と喫煙事情の歴史が分かりおもしろかったです。みなさんが励ます力を持っていてすばらしいと感じました。
  • 経験者の方の意見や情報は貴重でさまざまな人の経験談を蓄積して禁煙への成功への道のヒントを知りたいと思っています。きっかけ,実践したこと,失敗したこと,成功者だけでなく失敗者の意見も大変貴重だったので、また参加して他の方の意見(失敗談も)を聞きたい。
  • ありのままの体験談が聞けてとても良かったです。このような機会が定期的にあるとよいと思いました。

 ご好評につき次年度は「経験者を囲む会 Part 2」を開催したいと考えています。
 身近な人の禁煙を応援したいという方,禁煙・卒煙の極意を聴きたいという方,そして自分の経験談を発表したいという方も,ぜひ来年会場へいらしてください!