博士前期課程

教育目標

  1. 放射線技術科学領域全般の知識を深めるとともに、特定の専門知識、技術を有する専門医療職者を育成する。
     
  2. 実践医療現場において中心的な役割を果たし、疾病予防、診断及び治療に貢献できる人材を育成する。
     
  3. 放射線医療技術学の分野における国際的な視点を育み、医療のグローバル化にともなって生じる種々の問題点を明らかにできる人材を育成する。
     
  4. 新しい知識や技術を習得し、創造的な研究を行うことにより、実践の場を活性化し、指導的な役割を担えることができる能力を開発する。
     
  5. 放射線技術科学の学問体系の確立と先端医療診断機器開発への貢献に熱意を持ち、教育研究者への道を歩もうとする人材を育成する。

教育研究の概要と特色

 放射線技術科学分野共通科目として、医用物理学概論と医用放射線科学概論及び国際放射線医療科学概論を開講する。医用物理学概論では、画像診断学、核医学並びに放射線治療学の基礎理論と実践的課題について、医用放射線科学概論では医用放射線科学における基礎から臨床分野に至る広い範囲の最新知見について、国際放射線医療科学概論では放射線技術科学領域の国際保健活動や国際機関の役割等について、それぞれ教授する。

 放射線技術科学分野専門科目として,放射線科学の基礎となる理工学を基盤とした放射線物質科学特論及び医用放射線機器科学特論を開講し,放射線機器等で使用する素材の材料物性評価,診断機器装置の全体構造と原理,及び機器の特性評価と品質管理・保証等について広範囲の専門教育を行う。併せて,放射性薬品化学・管理学特論及び生体構造機能解析工学特論等を開講し,臨床診断に用いられる放射性薬剤の製造方法や放射線の生体への影響及び放射線管理に関する考え方,並びに医療診断装置による生体構造と機能に関する「人間医工学」的解析について教育する。

 また,疾病の予防・診断・治療に役立つ専門科目として,医用画像情報学特論や核医学情報学特論を開講し,CT,MRI,超音波などの検査装置で得られる各種の画像情報の成り立ち,処理,特徴,解析や,放射性同位元素を用いたSPECT,PETなどによる生体情報の取得法やその定量的評価法について教育する。併せて,臨床画像診断学特論を開講して,各画像検査の所見と臨床像並びに病理形態像との関係,及び画像診断の有用性と限界等について講義する。更に,放射線腫瘍学特論を開講して,半自動化が進んでいる照射計画システム等を駆使して個々の患者に最適な治療を実現する方法について教育する。

 加えて,これらの講義内容を基盤とした演習を通してその応用と実践を教授し,更に保健学特別研究(放射線技術科学)において各自が設定したテーマに関して個別研究指導する。 また、医学物理士養成コースにおいては,一般財団法人医学物理士認定機構が認定する医学物理士を養成する。(博士前期課程医学物理士養成コースは,2014年4月医学物理士認定機構教育コース認定を取得)

医学物理士養成コースについての詳しいご案内はこちら