設立の趣旨

 日本の保健・医療・福祉・看護の世界は,時代の変遷とともに急激な変化を遂げています。なかでも看護の分野は,保健・医療・福祉の動向に影響され,めまぐるしい変化および発展を余議なくされています。

 日本の看護は,先駆者たちが築いてこられた礎を基盤に,看護専門職の努力の賜物の結果,世界に類を見ない「輝かしい看護」の歴史があり,現代に至るまで,その歴史の重みを尊重しながら,時代に相応した看護の世界を作りあげてきました。保健・医療・福祉と協働しながらも,常に看護専門職としての専門性,独自性を発揮してきました。このことは,わが新潟県においても日本看護学会の招致,臨地における看護研究,看護学教育における教育研究活動など,各々の場で貢献してきました。今後,めざましい発展進化を遂げている社会の多様なニーズに適切に対応していくために,更なる看護の発展の持続可能性が期待され,「臨地と教育のコラボレーション」をより強化することが必要不可欠になってきました。臨地と教育の協働,連携および関連領域と学際的な交流をもち実質的に強化していくことにより,新潟の看護が更に発展し,環日本海地域の代表として近隣地域にも発信していく役割を担うことが可能であります。しかし,現代社会における臨地・教育の場では,社会の変遷に伴いそれぞれ多くの課題を抱えながら,その問題解決に取り組んでいます。 

 本学会は,そのような現代の課題を学術的に受け止めるために,以下に記すことを目指して設立いたします。 

  1. 看護専門職として,臨地および教育研究の場における実践智のコラボレーションを図り,双方向の成長を目指し,看護の発展に寄与する。
  2. 学際的な対話を積極的に進め,相互の専門性を高めていく場を提供する。 
  3. 看護に関連する臨地・教育研究の課題を広い視野で考察し,その成果を共有する。 
  4. 臨地・教育の場に潜在している能力を発掘し,それらを最大限に発揮し,学問的成果を導き出し,社会に還元できるようにする。 
  5. 国際社会の動向も見据え,適切な情報が発信できるよう研鑽を重ねていく。