ペンス『医療倫理』


「医療倫理学とは事例研究である」といっても差しつかえないかもしれません。医療倫理・生命倫理は、机上の概念操作から生まれたものではなく、現実に発生した事例(case)をめぐって、医療従事者、研究者、法律家などが議論を重ね、一定の体系性を持つようになったものです。「尊厳死」の議論を巻き起こしたカレン・クインランやナンシー・クルーザンの事例、「試験管ベビー」と呼ばれた、体外受精第一号の英国の事例、「脳死・臓器移植」論争に火をつけた南アフリカのクリスチャン・バーナードによる世界初の心臓移植事例など、世界的事件ともいうべき20世紀の医療倫理学の様々な重要事例を網羅しています。

書名:医療倫理 よりよい決定のための事例分析
体裁:単行本: 369 p (1巻)、429 p(2巻)
刊行年:2000年3月(1巻)、2001年2月(2 巻)
出版社
みすず書房
ISBN: 4622041146 ; 1 巻 (2000/03)、4622041154 ; 2 巻 (2001/02)


© Michio Miyasaka 2014