| ■ 構成
総論
第1〜2部は総論で、医療倫理の歴史と方法論の概説です。
- 第1部:医療倫理の歴史(第1〜2講)
古代の「ヒポクラテスの誓い」から、近代医学の成立期の医療倫理の変化、そして19世紀後半から20世紀にかけての優生学の隆盛、ドイツと日本の第二次大戦時の医療従事者による人体実験等の人権侵害、その処断のあり方の差異、20世紀後半の「患者の権利」の時代における日米の医療上の重要事例史などについて、大きな流れを追いながら医療倫理史を概説します。731部隊による人体実験、ハンセン病問題など、従来の医療倫理のテキストで言及されることが少なかった重要事例にも触れています。
[第1講]古代から近代の医療倫理の変遷
[第2講]現代─患者の権利の時代へ
- 第2部:医療倫理の方法論(第3〜4講)
本書では、欧米で構築されてきた理論を概括し、「原則論」「手順論」「物語論」という三つの視点から問題を検討する方法論を提示し、これに沿って医療倫理の諸問題を検討するアウトラインを示します。方法論の解説にも各論のように一部にケーススタディを採り入れています。
[第3講]基本的な概念と構造
[第4講]三つの方法論─原則・手順・ナラティヴ(1)
[第5講]三つの方法論─原則・手順・ナラティヴ(2)
各論
第3〜6部は各論で、「死と喪失」、「性と生殖」、「患者の権利と公共の福祉」、「医学研究と医療資源」の四つのテーマに大別しています。各テーマとも、最初にレビューを設けて、主な倫理的問題がどこにあるかを概説しました。次にケーススタディを行い、典型的な事例を題材に、原則論、手順論、物語論のそれぞれの視点で検討します。
- 第3部:死と喪失
告知、死期を早めるということ
[第6講]死と喪失についてのレビュー
[第7講]告知─深刻な診断を知る,それを伝えるということ
[第8講]尊厳死─最後まで生きる,その人にかかわるということ
- 第4部 性と生殖
医療従事者によるセクシュアリティへの関わりについて、生殖補助医療、障害児の出生を「防ぐ」ということ
[第9講]性(セクシュアリティ)について
[第10講]生殖について
[第11講]障害児の出生を「防ぐ」ということ
- 第5部 患者の権利と公共の福祉
自己危害と他者危害を生じうる問題について、感染症医療、精神医療、身体拘束など
[第12講]患者と第三者の利害の対立
[第13講]自己危害と他者危害
- 第6部 医学研究と医療資源
医学研究の倫理性、動物の権利、臓器・組織・細胞などの医療資源化(臓器移植、再生医療、クローン技術など)、医療資源の配分
[第14講]生体と医療資源
[第15講]医療資源の配分と医療情報
事例
以下の事例について、ケーススタディを行っています。
- 救急救命士による気管挿管
- がんの告知
- 人工呼吸器の取りはずしを望む患者
- 性的な介助を求められた理学療法士
- 妹からの卵子提供による体外受精を考えている事例
- 障害をもつ子どもの中絶を考えている事例
- 肺結核症患者への対応
- 痴呆症状のある老人の身体拘束
- ES細胞を利用した歯の再生技術の開発
- 家族介護の限界と介護支援の拡充
資料
以下の資料を巻末に集録しています。
- WMAヘルシンキ宣言 ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則
- 患者の権利に関するWMAリスボン宣言
- 日本医師会 医の倫理綱領
- 日本薬剤師会 薬剤師倫理規定
- 日本看護協会 看護者の倫理綱領
- 日本理学療法士協会 倫理規程
- 日本作業療法士協会 倫理綱領
- 日本視能訓練士協会 倫理規定
- 日本臨床衛生検査技師会 倫理綱領
- 日本歯科技工士会 歯科技工士の倫理綱領
■ 関連リンク
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