看護学分野 博士後期課程

各ライフステージにおける個人や家族を対象に,健康支援に関する看護独自の援助技術を開発するとともに,地域の文化・風土や開発途上国の特性を視野に入れての看護実践及び看護理論や研究手法に新たな展開をもたらすことを課題として,それに対応できる教育研究者あるいは高度医療専門職者を育成するために以下の授業科目を配置する。

 

個人や家族の健康支援とコミュニティや国際レベルの健康支援の見地から,2つの領域からなる専門科目で構成する。「小児・女性看護学特講」及び「小児・女性看護学特講演習」は,小児の成長発達の支援,母子及び女性のメンタルヘルスと生涯を通じた健康支援を対象領域とする。本科目の特色は,障害児や慢性疾患児,不妊の女性や性の健康など,心身両面の特有で特殊な支援ニーズをもつ個人及び家族に特化し,地域密着型の支援理論やケア技術の確立に向けて,創造的な研究が行えるよう基礎能力を養うことである。「地域・国際看護学特講」及び「地域・国際看護学特講演習」は,組織や集団レベル,あるいは地域や国際レベルでの健康支援を専門領域とする。本科目の特色は,グローカルな視座から,生活習慣病に対する看護の予防介入と評価尺度の開発,介護支援方策の構築,開発途上国の女性の健康支援における看護戦略と介入方策について創造的な研究が行えるよう基礎能力を養うことである。

 

それぞれの特講を通じて,自己の研究課題の方向性を具現化する。さらに特講演習では,批判的思考アプローチによる文献精読,質的・量的研究手法の訓練,論文表現力の涵養等を行う。特色として,「小児・女性看護学特講演習」は主に質的研究法,「地域・国際看護学特講演習」は主に量的研究法にウエイトをおいて,研究技法のスキルトレーニングを行う。これらの特講演習を通じて研究を進めていくうえでの知識とスキルを獲得する。

 

「保健学特定研究(看護学)」では学生各自が設定したテーマについて研究指導教員の指導を受けながら研究をすすめる。この場合,研究指導補佐教員は研究指導教員との連携のもとに,研究計画の妥当性の検討,定期的な研究進捗状況の点検,並びに学会報告や科学雑誌投稿の技術指導等の研究支援を行う。また専門を異にする教員や他学部の教員を交えて,さらに高度医療専門職者を志向する学生の研究については学外実務家を加えて,定期的に中間発表を行う。このような過程で,多面的な視点から研究内容の検討を行いつつ研究を完成させていく。

 

以上の如く本分野で履修する学生は,『共通コア科目』で保健学の使命を学び,『研究支持科目』で教育研究者又は実践家志向それぞれに適う基本的な研究手法を修得し,『専門科目(特講・特講演習)』では特化した内容を各々の志向に見合う形で学習する。教育課程はこの様な一連のコースワークと,それと併行して進められるリサーチワーク「保健学特定研究」とで編成されている。